「伝えようという気持ちはあるのだけれども、相手の反応が気になってうまく話せない・・・・。」
こんなことを感じたことはありませんか。
たとえば、学校の授業で前に出て発表したとき。たとえば塾で子どもたちに勉強を教えたとき。
わたしも、伝えたいことを伝えられずに悔しい思いをした記憶があります。
誰でも、一度は自分の気持ちを伝えられない経験をしているのではないでしょうか。
・・・そんなとき、どうしてきましたか?
「ま、こんなもんか。」と自分を納得させてきませんでしたか?
―――本当にそれでよいのでしょうか・・・?
みなさんこんにちは!二回目の投稿になります、染野あゆみです。
最近はすっかり冷え込むようになりましたね。寒さが苦手な私にとっては、試練の季節です。
さて、今回は立石拠点連載第二回です。現場に密着してLFAのプログラムに参加した大学生の成長を追っていきます。
【大学生教師のご紹介!】
今回紹介するのは、「相手の成長のためになる言葉を、伝えることができる人になりたい。」
そんな強い想いをもった、真加部湧大君(以下“ゆうだい”)です!
ゆうだいは、教育学科で中高社会科教員を目指す大学三年生。仲間と共に学び合いながら、生徒や自分と真剣に向き合うことができる環境にひかれ、LFAに参加しました。あたたかい笑顔と優しい話し方が素敵です^^
【課題のたくさん残る初回授業】
ゆうだいの受け持つ生徒は中学一年生の女の子、Kちゃん。口数が少なく、いつも困ったように笑っているなあ、という印象です。
10月の初回授業。Kちゃんと初めての対面です。Kちゃんは、どことなく緊張した様子。椅子にきちんと座り、質問されると、「えー…」と言って首をかしげてはにかんでいました。そして、対するゆうだいもまた、緊張でちょっぴり硬い様子。Kちゃんが答えられるまで待っていたり、声のトーンに気を付けていたりと、ゆうだい持ち前のあたたかさで安心した空間をつくり、3時間の指導でだいぶ打ち解けていましたが、もっともっと、Kちゃんの良さを引き出せるはず!まだまだKちゃんの受け答えが少なく、笑顔もこわばっていましたように感じます。ゆうだい自身、緊張が完全にはとけていなかったようです。課題がたくさん残る指導日となりました。
そんな初回指導を終えて、ゆうだいはこんなことを言っていました。
「うまくいかなくなると、“自分はだめだ”と考え始めてしまう自分がいる。」
はじめての授業で、教科指導が思うようにできなかったそうです。「Kちゃんが理解できなかったとき、“自分の教え方が悪いのではないか”と自責の念にかられてしまった。そして周りの目が気になりはじめ、Kちゃんの目を見られなくなり、自分の声に抑揚がつけられなくなってしまった。」と話してくれました。
「そんな風に、周りの目が気になり始めてしまうことってよくある?」と聞いてみたところ、「ある。」と即答で返事が返ってきました。でも、その理由は「なんでだろう?」と疑問符つきの返答。
ただ、今回は、安心と受容の空間づくりを優先したため教科指導の準備が甘かったから、次回は準備を徹底する、ということで落ち着いたようです。
【準備万端!指導日二日目】
そうして迎えた第二回の指導日。宣言通り、初日よりも教科指導の準備に力をいれてきたようです。説明用のスケッチブックが数倍見やすくなり、プリントもばっちり。内容も、Kちゃんがしっかり理解できるように細かく分けて考えられていて、より分かりやすくなりました。
そのおかげか、Kちゃんも楽しんで勉強ができていたようです。内容が細分化されているため、ひとつひとつ確実に理解できたのではないでしょうか。問題に答えるスピードがどんどん速くなり、演習ではすらすらとペンを動かしていました。
Kちゃん、初日は、ほめられても、うーんと首をかしげていました。あまり自分に自信を持てずにいるようです。そんな彼女が嬉しそうに笑ってる姿を見て、わたしまで幸せな気持ちになりました。学校ではできなかった勉強ができるようになったことで、少し、自信を持てたのかな、と感じます。
そんな二日目をゆうだいはこう振り返っています。「楽しかった、時間がすぎるのがはやかった。」
初日と比べてKちゃんがすごく集中していたし、笑顔もたくさんみせてくれたから、ゆうだい自身も楽しめたそうです。
前回の反省を生かし、教科指導の準備をしっかりしたことで、自信をもって指導に臨めたのではないでしょうか。ひとつひとつの課題を確実に解消し、一歩ずつ成長していく姿勢が素敵です。ゆうだいが歩みを止めない限り、Kちゃんも成長し続けられるはずです。
【依然未解決の課題】
二日目の指導で、「教科指導の準備性を高める」という課題はクリアしたように思います。しかし、根本的な問題は未解決のままです。今回は、教材準備を徹底したことにより、教科指導で自信をなくしてしまうことはありませんでした。しかし、もしまた、不測の事態にぶつかったらどうなるのでしょうか。周りの目が気になり始めてしまうのではないのでしょうか。
Kちゃんは、普段あまり自分の意見を言いません。本当に打ち解けた人にしか自分の想いを伝えられないようです。実は、Kちゃんがお父さんと早口で会話をしている姿を見かけたことがあります。また、二日目の指導で解けない問題にぶつかったときには、休み時間になってもペンを離さず考え続けていました。本当は、強い強い意志のある子なのだろうな、と感じています。
・・・・どことなく、だれかさんに似てますよね。
【次回予告】
指導日五日目を終えた現在、Kちゃんの学力はかなり向上しています。しかし、ゆうだいは、また壁にぶつかりました。「指導中に自責の念に駆られてしまう。」このことが大きな壁となりゆうだいの前に立ちはだかっています。「自責の念に駆られると指導内容の事しか考えられなくなり、細かなほめや配慮ができなくなる。表情も硬くなり、暗く単調な場の雰囲気を作り出してしまう」のだそうです。
準備不足という問題は解決してもなお残るこの課題。その原因は自分の中にあるのでしょう。「誰かを変えるためには、まず自分自身が変わらなければいけない。」―――ゆうだいはどのようにこの課題を解決していくのでしょうか。自分と向き合い、Kちゃんの変容のためにゆうだい自身が変わっていくことを、信じています!
次回は12月初週にお送りします!お楽しみに!
【おまけ】
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(文:染野あゆみ)
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