2013年10月29日火曜日

【秋季プログラム拠点紹介②】葛飾区の新拠点、立石拠点のご紹介!

 涼しさが身に染みる季節になりました。
大好きな焼き芋をほおばることが最近のささやかな楽しみです。

 みなさんはじめまして!三人目のブログライター、染野あゆみです。
私は今年の春と夏に教師をやらせていただき、現在は広報部としてLFAの活動に携わっています。

  さて、今回は拠点紹介シリーズ第二弾!立石拠点をご紹介します!

【立石拠点基本情報】
  立石拠点は今回が第三期目。今年2013年春に始まった、最も新しい拠点です。
 場所は葛飾区で、生活保護受給世帯の子どもたちを対象に活動するケースワーカーのNPO団体のハーフタイム様葛飾区福祉事務所西生活課様と連携し、活動しています。

 余談ですが、わたくし染野は、今年の春、第一期立石で教師をやらせていただきました。今こうして、大好きな子どもたちのいる立石拠点の記事を書けることが楽しくてたまりません!
 
【幅広い年齢層の子どもたち】
 ところでこの立石拠点、第一期目の春はこじんまりとした拠点でした。教師の数は5人、対する子どもも最大で6人。
 しかし今や、子どもの数はなんと14人!倍以上に増え、にぎやかになりました。嬉しい限りです。



 また、立石拠点の他との違いは、小学生を受け入れていることです。今は4人の小学生の男の子がいます。集中がきれてきたころに、「このプリントが終わったら算数ゲームをやるよ。」とトランプを見せると、途端にスイッチが入って一生懸命問題に取り組む子、ぶっきらぼうなふりをしていても、ほめられると笑顔を隠し切れずに下を向いてにこにこしている子、休み時間に熱心にお絵かきをして、満足げに見せてくれる子。まだまだ遊び盛りでやんちゃな彼らを見ていると、自然と笑顔になれます。彼らは、立石拠点のエネルギー源です!

【子どもたちの成長】
 ここで少し、思い出話をさせてください。

 1か月ほど前、寺子屋間寺子屋という指導が行われました。これは、自習に近い形での指導で、プログラムとプログラムの間の、正式な寺子屋が開催されない期間に行われます。子どもたちが、プログラム期間中でなくても継続した学習を行えるように、と、昨春より導入されました。( →詳細はこちら )
 
 この寺子屋間寺子屋で、驚くべきできごとがあったのです!     

 立石拠点には、無口で、男の先生としか話すことができない男の子(仮にA君とします)がいます。春に私が話しかけても、言葉を返さないどころか首をふることすらしない、そんな子でした。
  この日もわたしは、彼からの反応を特に期待せずいつも通り挨拶をしました。それでおしまいかなって、思ってたんです。――だから少し、動揺してしまいました。

 「・・・今笑ってくれたよね?」
 
 A君がわたしの目を見て、笑顔であいさつしてくれたのです!
 それだけではありませんでした。休み時間にカーテンに隠れて遊んでいる彼にちょっかいをだしてみたら、「へへー」と嬉しそうに出てくる。指導中、分数の問題が解けたときには、ハイタッチまでしてくれました。(もう、嬉しくて嬉しくて、最近はこの話ばかりしています。)

                


 ところで、彼の変容の理由は何なのでしょうか。
 実はA君、寺子屋に来る前は学校の算数のテストが30点でした。――彼はどんな気持ちで授業を受けていたのでしょう。内容はどんどん難しくなって、わからないことばかりが増えていく、それでも教室に座っていなければならない。すごくつらいんだろうなあ、って思うのです。
 しかし、そんなA君も、寺子屋に通うようになって、どんどん勉強ができるようになりました。これは保護者様に伺った話ですが、A君は家で「学校ではできなくても、寺子屋ではできる。」と嬉しそうに話していたそうです。自分のペースで理解できるまで待ってくれて、何かひとつ、できることが増えると、その努力を認めてくれる。そんな、自分に寄り添ってくれる一人の先生と、毎週笑顔で迎え入れてくれるたくさんの先生に出会えたことは、彼にとって大きなものになっているのではないでしょうか。

 もちろん、この活動が全てとは思いません。家や学校で、なにかいいことがあったのかもしれません。
 ですが彼にとって、この立石拠点が、安心でき、心を開ける場所であるということは間違いないでしょう。

【今後の課題】
  このように立石拠点は今、子どもたちが変わっていく場所になりつつあります。
  しかしやはり課題は残っています。寺子屋では解けても学校の勉強には追いつけない。一度できたことも定着が甘い。子どもたちが学力やそれ以外の部分でも成長し、自立していくためには、もっともっと結果を残さなければなりません。
 「寺子屋拡大の起爆剤」――研修開発部の入澤は、立石拠点をこう形容しています。新拠点であるここ立石が、子どもの変容という結果を残すことで、この活動を広めること、つまり、より多くの子どもの未来を変えることにつながるでしょう。

【秋季プログラムでの目標】
 さて、秋季プログラムの教師たちは、今まさに成長過程にある立石拠点を引き継ぎます。秋季立石の教師たちはみな、温かい雰囲気をもち、他拠点に比べて落ち着いた印象を受けます。しかし、子どもたちへの想いは、熱いです。
 先日指導初日を終え、「たくさんの課題がみつかった」と引き締まった顔つきをする教師がいました。思ったような指導ができず、「子どもにかわいそうなことをした」と涙する教師がいました。
 「子どものために」という強い想いをもつ彼らなら、必ずや、結果をのこしてくれるはずです。
  
 教師だけではありません。拠点を運営している二人の現場スタッフ(通称PM:プロジェクトマネージャー)もまた、一心に子どもたちの成長を目指しています。PMは、子どもたちに直接指導をできるわけではありません。だからこそ彼らは、いかにして子どもたちが安心して勉強に取り組める空間を作るか、教師がよりよい指導をするためにどうすればいいのかを常に考え、一分一秒に意図をもち、一挙一動に注意して、真剣に取り組んでいます。近くで見ていて、素直に、かっこいいと感じます。
  そんなPMsに、秋季プログラムの意気込みを聞いてみました。

◆メインPM栗原和樹
              

 個人の目標は2点あります。
 まず1点目は子どもの成長です。冬が終わったときには、自分の学年の学習内容に追いついていることが目標です。今立石に通ってきている子どもは1つ前の学年の内容をやっている子がほとんどです。その子たちが次の学年に進んだ時に自信を持てるようになっていてほしい。そのためには、この秋が「勝負の秋」になると感じています。
 2点目は自分自身の成長です。今季初めてメインPMを務めます。そこで今できる最高の結果を出したいです。最高の結果というのは、1点目子どもの成長のことです。
 そして、今関わっている研修開発の中でもしっかりと成長し、より多くの子どもたちの笑顔を実現したいと思います。そのために研修では、理論と実践をつなぐことをできるようになりたいと考えています。

◆サブPM高橋由衣
              

1点でも高く-学びの促進者として-】
 学びの促進者とは、学ぶための安心の居場所を提供し、挑戦するための環境を整える人だと考えています。
 子どものために、教師のために、直接私が問題解決をしたり、タスクを処理したりできるわけではありません。しかし、必要なときに必要なサポートをし、あたりまえのことをあたりまえにできるようにすることで、子どもと教師の成長を1点でも高くつかみとっていきたいです。

  教師でもPMでもない、広報という一歩離れた位置から見ているからこそ、立石チームの一人一人が互いに影響し合い、チームとして立石の子どもたちの成長を掴んでいるのだと感じています。きっとこれから、立石チームはもっともっと良いチームになり、そして、子どもたちが今まで以上の笑顔を見せてくれることでしょう。

              

 さて、今回はPMsの言葉を紹介させていただきましたが、今後は教師たちの成長を発信させていただきます。立石拠点の3名の教師に密着し、プログラムが終わるまでの彼らの奮闘を、毎週ブログで記していきます!LFAに参加した大学生はどのように成長するのかそうろうご期待ください!
 最後までお読みいただきありがとうございました!

 ちなみに、立石だけでなく、他拠点の紹介もしています。
◆拠点紹介シリーズ
 金町拠点➡近日公開


(文:染野あゆみ)

2 コメント:

活動内容や子供たちの成長、教師やPMの方々の熱心さが伝わりました。
これから教師の方と子供たちの成長を見守りたいです。

執筆者の染野です。コメントありがとうございます!とても励みになりました。これからもご意見いただけると嬉しいです!

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