皆さん、こんにちは!広報部の丸山です。
今回の活動日誌は足立拠点スタッフ成長記第2弾!!
現在実施されている秋季プログラムで足立拠点のサブプロジェクトマネージャー(副現場管理者のこと、以下サブPM)として参加している森作優輝さんに密着し、このプログラムに参加している子どもや学生の成長について皆さんにお伝えしています。
前回のインタビュー(足立拠点スタッフ成長記①)では、どうしてLearning for All(以下LFA)に関わろうと思ったのか、秋季プログラムに向けてサブPMとしての意気込みなどを熱く語ってくれた森作さん。
いよいよ今週で秋季プログラムが終わります。森作さんはサブPMの経験を通じて、どんなことを感じ考えてきたのか、そして秋季プログラム終了を控えてどんなことを想うのかを語って頂きました。
またの足立拠点の様子についても、合わせてお伝えしていこうと思います!
皆さん、スタッフって具体的にどんなことをしているかイメージがつきますか?教師だったらイメージしやすいと思いますが、スタッフと言われるとなかなかイメージしにくいですよね。前回のインタビューではスタッフの仕事内容について詳しく聞くことが出来なかったので…
―森作さん、そもそもスタッフ(PM、サブPM)ってどんなことをしているんですか?
スタッフの仕事は様々にありますが、主に教師が最大限子どもたちに向き合えるようサポートをしています。具体的には指導中の子どもと教師の様子を観察し、指導後そこで気づいた点をもとに、教師と対話をして、次回指導が更に良くなるようフィードバックをしています。またアドバイスをするだけでなく、指導法などで何か問題を抱えたときは相談にも乗っています。
―なるほど。スタッフは教師にメンターとしてつき、プログラム中の子どもへの指導と課題解決をサポートする役割を担っているんですね。
そうですね。教師が指導に集中出来るように、子どもたちに真剣に向き合えるようにしています。
―そういえば、代理教師として足立拠点に伺った時、指導前に教師と真剣に何か話し合っていましたよね?教師と何について話していたんですか?
教師が指導をする上で、苦手としている場面のロールプレイ(※)を行っていました。指導前に、教師の指導における疑問や不安を解消することで、教師が自信をもって子どもたちに指導することが出来るようにしています。またロールプレイではスタッフが子ども役になって行うため、子ども目線に立った指導が出来ているかを見つめ直すことも出来ます。
※実際の授業場面を想定して、スタッフが子ども役になって教師が指導を行うこと。ロールプレイを行うことで、実際に同じような場面が起こったときに適切に対応できる。
―そうですね、LFAでは、子ども目線に立った指導をとても大切にしていますね。私も初めは、教えたい、分かってもらいたいという気持ちから、子どもが何を学びたくてどう教えてほしいのかを全く考えられていませんでした。教師の目線で考えていましたね。
でもスタッフから「その問いかけは、子どもはどう思うかな?」「子どもの理解のスピードを考えている?子どもを待つことも大切だよ。」とフィードバックを貰いました。その初めて、私の指導は教師の一方的な思いだっていうことに気がつきました。
子どもが成長を実現するためには、子どもが何を思い、何を感じ、何をしたいのかという子どもの思考、感情、欲求を読み取ることが大切だったんです。子どもの成長を大切にしているからこそ、教師たちが子ども目線に立った指導を行えるように、スタッフがサポートしてくれるんですね。
―初めてのサブPMはどうですか?秋季プログラムが始まったときと、プログラムが終盤にさしかかった今とでは、何か変わったことはありませんか?
今だから言えることなんですが…実は、サブPMとして活動していくことが初めは辛かったです。
というのも、自分は今まで教師として活動してきたので、教師としての強みはありましたが、サブPMとしての強みはないんじゃないか…それにもう一度教師をしたいという気持ちが強かったので、指導している教師が羨ましく、自分はそれを見ているだけ…正直、スタッフという立場がきつかったです。実際にこれまで人を引っ張っていく機会がなかったので、現場をまとめることが難しかったです。
最初はこんな気持ちでいましたが、何度も現場に足を運んでいくうちに、気持ちが変わっていきました。教師たちが来週もっといい指導が出来るように、彼らが克服しなければならない課題はなんだろうと考えるようになったんです。そして教師の指導をじっくりと観察し、彼らの課題を見極め、それを教師たちに一番響く言葉で伝えていく。スタッフとしての楽しさを感じるようになりました!
指導経験がある自分だからこそ、見つけられる教師たちの強みや弱みがあると気づき、今はいい意味で、吹っ切れてきました。これからスタッフとしての強みを見つけていけばいい、誰よりも努力して成長していけばいい、というふうに変わっていくことができました。
―サブPMをしていく中で森作さんの中で変化があったんですね。
そうですね。最近は、サブPMとしてのやりがいを感じられるようになりました。
―どんなやりがいを感じたんですか?
足立拠点に春から関わっているため、自分が受け持った子どもだけでなく、長期的に足立拠点の子どもたちの成長を見られるのは、とても嬉しいですね。
特に遣り甲斐を感じたのは、教師の成長が、子どもに成長に繋がっている様子を見られたとき。あのときは、本当に嬉しかったです。
―なるほど!教師の成長が子どもの成長に繋がっているんですね。もう少し詳しく子どもと教師の成長について聞かせて下さい!
春季プログラムで自分が教師として指導していた子どもが、継続して秋季プログラムにも参加してくれています。そして今、その子どもを私の担当である教師が指導しています。
その子は今まで勉強が嫌いで、一問でも間違えてしまうともうやりたくないとよく言っていました。しかし、今では満点が取れないことをとても悔しがり、粘り強く学習に取り組めるようになりました。また学習に対する意欲が変わっただけでなく、結果にも現れてきています。指導後の確認テストでは満点を取れるようになりました。
以前は子どもにとって安心感を与えるだけのお姉さんのような存在でした。しかし今では笑顔と受容といった彼女自身の強みをしっかりと活かし、安心感だけでなく結果も出してあげられる教師へとなっていきました。
前と同じ授業をするだけでは、子ども達の成長はありません。自分自身の指導をしっかり振り返り、常に自分自身も学び続けているからこそ、子どもも少しずつ変わっていくんだと思います。
―子どもの成長を実現するためには、教師自身の行動を変え続ける必要があるんですね。教師が変わっていくことで、子どもも少しずつ変わっていく。改めてこのプログラムは、教師と子どもが成長していく場であると思いました。
―では、子どもの成長を実現のため、教師が成長していけるように、スタッフとして森作さんは何を教師たちに伝えていますか?
教師には2つのことを問いかけ続けようと思っています。一つ目は本当にそれが子どものためになるのか、二つ目は子どもの成長に繋がっているのかということです。子どもたちによい未来を描いてほしいという思いを持っているからです。
そのため教師たちに対して、学習指導だけで終わって欲しくないと思っています。“子どもの未来を信じ、子どもをよい未来に連れていけるように”という思いを教師たちにはいつも伝えています。
―森作さんの子どもに対する強い熱意が伝わってきました。私も目の前の子どもたちが将来に対して希望を持ち、ワクワクしながら大人になってほしいと思っています。
―最後に秋季プログラム終了に向けての思いを聞かせてください。秋季プログラムで子どもたちに何を残したいですか?
残りの指導だけで、子どもたちの学習遅滞が完全に解消されるとは思っていません。しかし子どもたちが自立して学習出来るようになってほしいと強く願っています。そのため、秋季プログラムを通じて、子どもたちに出来るようになったという実感を残したいです。そして出来るという実感から、これからも頑張りたいという気持ちを持ち、冬も頑張っていってほしいと思っています。
―教師やスタッフが本気で子どもの可能性を信じ、彼らと向き合い続ければ、きっと子どもにその熱い思いは伝わると思います。分かった!出来た!という実感が、子どもたちのやる気や自信に繋がっていってほしいですね。
実際の秋の足立拠点を見て、インタビューをして分かったこと。
問題が出来たとき教師とハイタッチをする子、100点を取りその答案を嬉しそうに教師に見せてくれる子、「出来たああぁぁ!!!」と声に出して言っていた子…教室に小さな「出来た!」「分かった!」がたくさん生まれていました。そして教室には子どもたちの笑顔が広がっていました。
このように子どもの成長が少しずつ実現していくのは、本気で子どもたちの可能性を信じ向き合い続けて、子どもの成長を彼らと一緒に喜ぶ教師、スタッフたちがいたからだと思います。
心から子どもたちを信じれば、子どもたちもそれを感じ取ってくれるということもわかりました。授業を真剣に聞いてくれるようになる子、宿題を最後までしっかりやってくる子、満点を取れなかったことに悔しがるようになった子…と少しずつではありますが、子どもたちは確実に変わっています。
子どもの成長を心から信じる教師たち、そして教師の成長を信じているスタッフたちが足立拠点にいました。このことは足立拠点だけに限りません。他にも本気で子どものことを考えている仲間がたくさんいます。
子どもと教師の成長を達成するための研修、指導案、教材作り、指導、指導の振り返り、フィードバックといった教師が全力になれる環境が整っています。教師として参加する人も、スタッフとして長く活動する人も、それぞれの想いをぶつけ合いながら成長できる場。
そしてLFAには子ども、教師、スタッフ…誰に対しても「もっとできる」を投げかけ続ける文化があります。学人の成長を信じることが出来るからこそ、LFAのプログラムは相手も自分自身も成長出来る場になっているんだと思います。
ここまで読んで下さってありがとうございました。
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(文:丸山 茜)