サマプロ研修中の魅力的な人物写真10選

写真を眺めていると、環境や心情って顔に出るんだなあって思うよね。 こんにちは!広報部の山崎です。 悲喜こもごものサマプロから2日後。私は都内某所で実施されている、サマプロの事後研修、その名も大リフレクション大会に来ていました。

中学が大嫌いだった私が中学校教員を志すことを決めた理由

こうして皆さんに向けて文章を書いている私、現在Learning for All(以下LFA)の広報部に所属しております山崎未来と申します。ご縁がありまして、今回はこうして皆様の目に触れる文章を書く機会を頂いたので、僭越ながら最近私の身に起こった出来事を紹介したいと思います。教員という職業に関心のある方向けの要素が強いですが、せっかくここまで目を通してもらえたのであれば、最後までお付き合い頂ければと。

子どもの可能性を信じることを忘れてはならない。―教師体験談 中川愛

今回の活動日誌は、2012年秋季寺子屋くらぶの葛飾拠点に寺子屋教師として参加し、冬季寺子屋くらぶにも再採用教師として参加される中川愛さんをご紹介します。秋季の寺子屋での学びやご自身の成長、子どもへの思いを語って頂きました。

Facebook投稿用ボツ写真で遊んでみた

みなさまこんにちは!Learning for All広報部の山本です。現在LFAでは、Learning for Allサマープログラムのエントリー締め切りが間近にせまっていることを受けて、facebookページでこのようなカウントダウンを行っています。

どこよりもアツい夏!LEARNING FOR ALLサマープログラム実施のお知らせ

海だ花火だ夏フェスだ! 夏ですね!暑い暑い。電車に乗っていてもTVを観ていても、「夏だから~」みたいな広告、CMをよく見かけて、夏ってやっぱり特別な季節なんだなあってことを感じます。広報部の山崎です。このブログの読者の方は大半が大学生なのかな?と個人的には感じているのですが、大学生の夏休みと言ったら、もう、何でもできそうな感じがすごい。気になるあの娘を花火に誘ったり、サークルでBBQに行ったり(リア充!)、何をしようか、めくるめく夏休みを満喫している方も多いのではないでしょうか。

2013年12月14日土曜日

【立石拠点教師密着③!】~成長とは?リーダーシップとは?~


「成長」「リーダーシップ」
最近よく聞くこの言葉。素敵なことばですよね。
でも、「成長」「リーダーシップ」ってなんでしょうか・・・?
 本日ご紹介するのは、楠瀬大志 君。
“くっすー”の愛称で親しまれる彼は、“リーダーシップ”というキーワードのもと、LFAに参加しました。高校時代、ある団体で“リーダー”に選ばれたものの、「何もできなかった」と激しく後悔し、「リーダーシップってなんだろう。」と考えるようになったそうです。
くっすーは、サマープログラムからの、二期連続での参加です。サマープログラムでは、わたくし染野も、くっすーと同じ拠点で教師をしていました。長期にわたって彼を見ていて、その素直さと、良いものを吸収していこうという姿勢に驚かされています。
また、彼は立石のムードメーカーでもあります。自称、HAPPY担当。・・・と、ちょっとよく分からないことも多いのですが(笑)、その突き抜けた明るさで、立石拠点を元気にしてくれています!

               


【話が長くなる・・・】
そんなくっすー、自分自身の一番の課題は「わかりやすく伝えること」だといいます。「要点をびしっと伝えられればいいのに、こう説明したらこれが例外になるよな・・・」と考えながら話してしまうのだそうです。たしかに、話の途中で何度も、「えっと」と詰まったり、噛んでしまったりしている姿が目立ちます。
わかりやすく伝えるって、難しいですよね。伝えたいことが多すぎてついつい話が長くなってしまったり、逆に言葉につまってしまったり。(私自身、このブログを書きながら、皆様にどう伝えればいいのだろう・・と苦戦しております。)


【成長志向という長所】
さて、「わかりやすく伝えること」が一番の課題だという彼。
対談の中で、他にもたくさんのことを話してくれました。
スタッフに指摘されて一番はっとしたのが、一つ一つの行動に意図がないこと。だから、意図をもつことを考えるようになった。」
 たとえば指導中。「あ、時間が余った。よし、プリントやろう。」とファイルを探し始める、これは完全に行き当たりばったりな対応ですよね。LFAでは、まず、その時間の理想状態を考え、そのうえで行動を選択することを求められます。
「秋季プログラムは、サマープログラムに比べて、ゆるやかに成長している。」
 サマープログラムは短期集中5日間のプログラムです。短期プログラムと長期プログラムでは自己成長の形も変わってきます。
「学業との両立が難しかったから、時間の使い方を大幅に変えてみた。」
 朝早起きをして活動し、また、タイマーをきって作業にかかることを習慣化した結果、効率がよくなったそうです。
 くっすーは、良いと思ったものはなんでも吸収し、自分自身を高めて行こうという姿勢を崩しません。常に、多角的に、“もっと良いもの”を求めた結果、彼の中で様々な学びを得たのでしょう。
 
 【子どもの成長】
 ところで、くっすーは三人の子どもに指導をしています。中学二年生の女子生徒二人と、同じく中学二年生の男子生徒一人です。この、男子生徒(仮にY君とします)は、とってもおしゃべりな少年です。そんな彼の口癖は、「俺的に当然ですから(どやあ)。」褒められればいつもこのセリフが飛び出します。逆にできないことがあったときは、「いやー無理っすよ。」と口の端で笑っておしまい、でした。
 
そんな彼が最近、できなかったときに悔しがるようになったのです。英語のテストで単語を間違えてしまったとき、悔しそうに下を向いたかと思ったら、ペンをもって自ら単語の練習を始めました。これには正直、驚きました。はたから見たら、小さな小さな変化かもしれません。しかし、Y君にとっては、とっても大きな成長です。「できないものは、できない」と考えていたY君の中に、「もっとできるはずだ。」という意識が生まれたのでしょう。この成長は、常に“もっと上”を見るくっすーのもとで学んだからこそ、つかみ取れたものであるように思います。

              

【長所と短所の共通点】
 常に上を見続ける、くっすーの成長志向は本当に素敵なものです。と同時に、それはくっすーの、“わかりやすく伝える”という課題にもつながってくるように感じられます。これは完全に個人的見解ですが、何を目指して成長するのか何を伝えるために話すのか、くっすーの中でその軸が見つかれば、彼の課題はおのずと解決されるように思います。
今後、くっすーが自分の軸を見つけ、ますます輝いてくれることを期待しています!
【冬季プログラム学生教師募集中!】
LFAでは、きっと、“普通の大学生活”を送っていては絶対に得られないような、貴重な経験ができます。多くのことを学び、多くのことを考え、自分の中での価値観の変化を感じられるはずです。
少しでも興味をもってくださったら、ぜひ、一度、HPをご覧ください。ただいま、冬季プログラム学生教師募集中です!


(文:染野あゆみ)

2013年12月13日金曜日

【足立スタッフ成長記②】学生の成長が子どもの成長に繋がるとき

皆さん、こんにちは!広報部の丸山です。
 今回の活動日誌は足立拠点スタッフ成長記第2弾!!
現在実施されている秋季プログラムで足立拠点のサブプロジェクトマネージャー(副現場管理者のこと、以下サブPM)として参加している森作優輝さんに密着し、このプログラムに参加している子どもや学生の成長について皆さんにお伝えしています。
 前回のインタビュー(足立拠点スタッフ成長記①)では、どうしてLearning for All(以下LFA)に関わろうと思ったのか、秋季プログラムに向けてサブPMとしての意気込みなどを熱く語ってくれた森作さん。
 いよいよ今週で秋季プログラムが終わります。森作さんはサブPMの経験を通じて、どんなことを感じ考えてきたのか、そして秋季プログラム終了を控えてどんなことを想うのかを語って頂きました。
 またの足立拠点の様子についても、合わせてお伝えしていこうと思います!

                               

 皆さん、スタッフって具体的にどんなことをしているかイメージがつきますか?教師だったらイメージしやすいと思いますが、スタッフと言われるとなかなかイメージしにくいですよね。前回のインタビューではスタッフの仕事内容について詳しく聞くことが出来なかったので…
―森作さん、そもそもスタッフ(PM、サブPM)ってどんなことをしているんですか
 スタッフの仕事は様々にありますが、主に教師が最大限子どもたちに向き合えるようサポートをしています。具体的には指導中の子どもと教師の様子を観察し、指導後そこで気づいた点をもとに、教師と対話をして、次回指導が更に良くなるようフィードバックをしています。またアドバイスをするだけでなく、指導法などで何か問題を抱えたときは相談にも乗っています。
―なるほど。スタッフは教師にメンターとしてつき、プログラム中の子どもへの指導と課題解決をサポートする役割を担っているんですね。
 そうですね。教師が指導に集中出来るように、子どもたちに真剣に向き合えるようにしています。
―そういえば、代理教師として足立拠点に伺った時、指導前に教師と真剣に何か話し合っていましたよね?教師と何について話していたんですか?
 教師が指導をする上で、苦手としている場面のロールプレイ(※)を行っていました。指導前に、教師の指導における疑問や不安を解消することで、教師が自信をもって子どもたちに指導することが出来るようにしています。またロールプレイではスタッフが子ども役になって行うため、子ども目線に立った指導が出来ているかを見つめ直すことも出来ます。


※実際の授業場面を想定して、スタッフが子ども役になって教師が指導を行うこと。ロールプレイを行うことで、実際に同じような場面が起こったときに適切に対応できる。


―そうですね、LFAでは、子ども目線に立った指導をとても大切にしていますね。私も初めは、教えたい、分かってもらいたいという気持ちから、子どもが何を学びたくてどう教えてほしいのかを全く考えられていませんでした。教師の目線で考えていましたね。


でもスタッフから「その問いかけは、子どもはどう思うかな?」「子どもの理解のスピードを考えている?子どもを待つことも大切だよ。」とフィードバックを貰いました。その初めて、私の指導は教師の一方的な思いだっていうことに気がつきました。


子どもが成長を実現するためには、子どもが何を思い、何を感じ、何をしたいのかという子どもの思考、感情、欲求を読み取ることが大切だったんです。子どもの成長を大切にしているからこそ、教師たちが子ども目線に立った指導を行えるように、スタッフがサポートしてくれるんですね。


―初めてのサブPMはどうですか?秋季プログラムが始まったときと、プログラムが終盤にさしかかった今とでは、何か変わったことはありませんか?
 今だから言えることなんですが…実は、サブPMとして活動していくことが初めは辛かったです。
というのも、自分は今まで教師として活動してきたので、教師としての強みはありましたが、サブPMとしての強みはないんじゃないか…それにもう一度教師をしたいという気持ちが強かったので、指導している教師が羨ましく、自分はそれを見ているだけ…正直、スタッフという立場がきつかったです。実際にこれまで人を引っ張っていく機会がなかったので、現場をまとめることが難しかったです。
 
 最初はこんな気持ちでいましたが、何度も現場に足を運んでいくうちに、気持ちが変わっていきました。教師たちが来週もっといい指導が出来るように、彼らが克服しなければならない課題はなんだろうと考えるようになったんです。そして教師の指導をじっくりと観察し、彼らの課題を見極め、それを教師たちに一番響く言葉で伝えていく。スタッフとしての楽しさを感じるようになりました!
 指導経験がある自分だからこそ、見つけられる教師たちの強みや弱みがあると気づき、今はいい意味で、吹っ切れてきました。これからスタッフとしての強みを見つけていけばいい、誰よりも努力して成長していけばいい、というふうに変わっていくことができました。
―サブPMをしていく中で森作さんの中で変化があったんですね。
  そうですね。最近は、サブPMとしてのやりがいを感じられるようになりました。
―どんなやりがいを感じたんですか?
足立拠点に春から関わっているため、自分が受け持った子どもだけでなく、長期的に足立拠点の子どもたちの成長を見られるのは、とても嬉しいですね。
特に遣り甲斐を感じたのは、教師の成長が、子どもに成長に繋がっている様子を見られたとき。あのときは、本当に嬉しかったです。
―なるほど!教師の成長が子どもの成長に繋がっているんですね。もう少し詳しく子どもと教師の成長について聞かせて下さい!
 春季プログラムで自分が教師として指導していた子どもが、継続して秋季プログラムにも参加してくれています。そして今、その子どもを私の担当である教師が指導しています
 その子は今まで勉強が嫌いで、一問でも間違えてしまうともうやりたくないとよく言っていました。しかし、今では満点が取れないことをとても悔しがり、粘り強く学習に取り組めるようになりました。また学習に対する意欲が変わっただけでなく、結果にも現れてきています。指導後の確認テストでは満点を取れるようになりました。
 以前は子どもにとって安心感を与えるだけのお姉さんのような存在でした。しかし今では笑顔と受容といった彼女自身の強みをしっかりと活かし、安心感だけでなく結果も出してあげられる教師へとなっていきました


 前と同じ授業をするだけでは、子ども達の成長はありません。自分自身の指導をしっかり振り返り、常に自分自身も学び続けているからこそ、子どもも少しずつ変わっていくんだと思います。
―子どもの成長を実現するためには、教師自身の行動を変え続ける必要があるんですね。教師が変わっていくことで、子どもも少しずつ変わっていく。改めてこのプログラムは、教師と子どもが成長していく場であると思いました。


―では、子どもの成長を実現のため、教師が成長していけるように、スタッフとして森作さんは何を教師たちに伝えていますか?
 教師には2つのことを問いかけ続けようと思っています。一つ目は本当にそれが子どものためになるのか、二つ目は子どもの成長に繋がっているのかということです。子どもたちによい未来を描いてほしいという思いを持っているからです。
 そのため教師たちに対して、学習指導だけで終わって欲しくないと思っています。“子どもの未来を信じ、子どもをよい未来に連れていけるように”という思いを教師たちにはいつも伝えています。
―森作さんの子どもに対する強い熱意が伝わってきました。私も目の前の子どもたちが将来に対して希望を持ち、ワクワクしながら大人になってほしいと思っています。
  
―最後に秋季プログラム終了に向けての思いを聞かせてください。秋季プログラムで子どもたちに何を残したいですか?
 残りの指導だけで、子どもたちの学習遅滞が完全に解消されるとは思っていません。しかし子どもたちが自立して学習出来るようになってほしいと強く願っています。そのため、秋季プログラムを通じて、子どもたちに出来るようになったという実感を残したいです。そして出来るという実感から、これからも頑張りたいという気持ちを持ち、冬も頑張っていってほしいと思っています。


―教師やスタッフが本気で子どもの可能性を信じ、彼らと向き合い続ければ、きっと子どもにその熱い思いは伝わると思います。分かった!出来た!という実感が、子どもたちのやる気や自信に繋がっていってほしいですね。



 実際の秋の足立拠点を見て、インタビューをして分かったこと。


問題が出来たとき教師とハイタッチをする子、100点を取りその答案を嬉しそうに教師に見せてくれる子、「出来たああぁぁ!!!」と声に出して言っていた子…教室に小さな「出来た!」「分かった!」がたくさん生まれていました。そして教室には子どもたちの笑顔が広がっていました。
このように子どもの成長が少しずつ実現していくのは、本気で子どもたちの可能性を信じ向き合い続けて、子どもの成長を彼らと一緒に喜ぶ教師、スタッフたちがいたからだと思います。
心から子どもたちを信じれば、子どもたちもそれを感じ取ってくれるということもわかりました。授業を真剣に聞いてくれるようになる子、宿題を最後までしっかりやってくる子、満点を取れなかったことに悔しがるようになった子…と少しずつではありますが、子どもたちは確実に変わっています。


 子どもの成長を心から信じる教師たち、そして教師の成長を信じているスタッフたちが足立拠点にいました。このことは足立拠点だけに限りません。他にも本気で子どものことを考えている仲間がたくさんいます。
子どもと教師の成長を達成するための研修、指導案、教材作り、指導、指導の振り返り、フィードバックといった教師が全力になれる環境が整っています。教師として参加する人も、スタッフとして長く活動する人も、それぞれの想いをぶつけ合いながら成長できる場。
そしてLFAには子ども、教師、スタッフ…誰に対しても「もっとできる」を投げかけ続ける文化があります。人の成長を信じることが出来るからこそ、LFAのプログラムは相手も自分自身も成長出来る場になっているんだと思います。


 ここまで読んで下さってありがとうございました。


  「誰かを変えるために、自分自身と向き合う経験」をしてみませんか?
現在、冬季プログラムに向けた教師を募集しております。12月15日(日) 23:59がエントリー締め切りとなっておりますので、それまでにご応募頂ければと思います。(→冬季プログラム エントリーフォーム


 皆様とともに活動できることを心待ちにしております!


(文:丸山 茜)

2013年12月8日日曜日

【秋季プログラム拠点紹介③】進歩を遂げる継続拠点 金町拠点のご紹介!

日進月歩とはこのことかと。


こんにちは!女性アイドルが好きです、広報部の山崎です。

 さてさて、足立立石と続いたこちらの拠点紹介シリーズ、今回の金町拠点の紹介が最終回となります。私、山崎がラストの金町を担当させていただくわけですが、ここで、今までにはなかったある問題が発生することに気がつきました。

私、金町拠点と直接関わったことがない。

 今までの足立、立石の記事を書いてくれた2人は、それぞれの拠点で教師を経験しています。拠点の基礎情報はもちろん、子どもの様子まで知っているわけです。しかし、私は金町拠点で教師もスタッフも経験したことがない。それどころか、これを書いている時点で、実は現地に足を運んだことすらないのです。
 そのような状態です。普通ならやっべええええ!となるところだと思います。はい、私もなりました。しかし、自分が金町担当になった際、ある理由から、私はそれ以上にとても嬉しかったのです。

 なぜ嬉しかったのかは後述するとして、ここでは金町関係者から聞いた情報を元に拠点紹介を行いたいと思います。


【拠点の基礎情報】

 場所は葛飾区金町。金町拠点は2013年度秋季で13期目と、LFAの中でも最も古い歴史のある拠点。対象学年は中学1~3年生、指導教科は主に数学、英語です。継続期間が長いので、中には3年近く通っている子どももいます。支援対象に中学3年生が含まれており、受験対策も行っていることが拠点としての最大の特徴です。
 また、土曜日の通常指導以外にも、過去教師やスタッフによって毎週水曜日に行われている、自習室という試みも、この拠点独自のものです。ここでは受験を控えた中3生を対象に、理科、社会の補習も行われています。「受験生のためには絶対に必要だから」という理由で、当時の現場管理者だった現事業部長が始めた取り組みです。

【拠点の子どもの様子】
 学習支援の対象となっているのは、生活保護受給世帯の子どもたちです。全体として真面目で、寺子屋に来ると3時間しっかり集中して学んでいるそう。総じておとなしい子が多く、褒めるとはにかんだような笑顔を返してくれるのが特徴だそうです。また、内向きな子が多いのか、「休みの日は何をやっているの?」と尋ねると、ゲームをしている、アニメを観ている、という答えが返ってきがちだということ。
考えてみれば当たり前なのですが、子どもの様子は拠点によって大きな差があります。かつて私が教師をやっていた小学生を有する拠点では、休み時間ともなれば、教室内で遊び始めるやんちゃな子ばかりだったので、この話を聞いた際は、改めて驚きました。

【これまでの変化】
運営が長く行われているだけに、金町拠点においては、数字が伴う確実な成果が出ています。進学に関わる部分で言及すると、昨年度の中3生は6名中5名が志望校に合格、そのうち1名の卒業生は、進学先の高校でも学年5位の成績を保っています。今年度の受験生の中には、偏差値50台の高校を志望している子もいるそうです。
拠点全体においても変化が見られていますが、ここでひとつ、スタッフ間でもよく話題にのぼる、中学2年生の男の子のエピソードを紹介したいと思います。1年前の時点で、複雑な家庭環境を抱えている彼は、寺子屋に遅刻して入ってきても5分で爆睡、声をかけても首をひねるだけで、なかなか積極的な反応を返してくれなかったそうです。学習遅滞も大きく、定期テストで1ケタの点数を取ってくることもよくあったとのこと。
それが彼を担当した教師たちが根気よく指導を続けた結果、少しずつではありますが、着実な進歩が見られているそうです。定期テストの点数が30点程度まで上がっただけでなく、机上整理にも意識が向くようになり、発話量も大きく増えた、という話を聞いています。金町拠点のスタッフが口をそろえて、彼の変化を嬉しそうに語るので、それはきっと私の想像以上に大きな、意味のある進歩なのだろうといつも感じます。

昨年度、半年ほど彼を教えていたある女性教師(そして現在金町スタッフ)が、先日彼から手紙をもらったのだそうです。そこには、こう書いてあったとのことでした。
「学校のテストであんまりいい点はとれなかったけど自分のなかではすごくがんばったと思いました。いつも応援してくれてありがとうございます。3年になっても寺子屋にいくと思うので、3年になっても寺子屋にかよい続けたいです。」
その手紙を読んだとき、嬉しさのあまりに彼女は涙を流したそうです。教師が確実に子どもを変容させていることが、とてもよく表れたエピソードですよね。こんなことを言われてしまったら、何としても彼の人生を良い方向に導いてあげたいと強く感じるんじゃないかなあと思います。
運営自体についても、金町は確実に進歩を遂げている拠点です。連携先のケースワーカー様や子どもたちの保護者様とも対話を行い、外堀を埋める形での働きかけも行っています。

※ケースワーカー:生活保護受給者など、社会的に支援を必要とする人とその環境に働きかける専門職を指します。
【今後の金町】
前述の通り、他の拠点と異なる金町拠点の大きな特徴は、受験生を対象としている点です。そのため、短期的な結果を継続して出す必要性が出てくるのです。「結果に対する意識は常に高く持ち続けなければならない」―ある金町スタッフ経験者はこう言っていました。また、受験生に対してきめ細やかに指導を行っている分、受け入れられる人数が限られているという事実もあるそうです。さらには、歴史があるため、多くの過去教師も見学に訪れます。結果が出始めている分、期待とプレッシャーが常にかかっているという側面も持つ拠点です。
 「受験生を対象としている」とさきほどから繰り返していますが、言うほど簡単ではない、ということは、関係者に話を聞く中で嫌というほど伝わってきました。文字通り、子どもの人生を背負うことになる作業です。そのプレッシャーに耐え、子どもと向き合い続けてくれている金町教師には改めて敬意を表さなければならない、と感じました。
【秋季の目標】
最後に、現在実施中の秋季プログラムの現場責任者を務めている家坂に秋季の意気込みを聞いてみました。とは言っても、秋季もう終わるのですが…掲載が遅くなって彼女には本当に申し訳ないのですが…

             
秋季金町の現場責任者の家坂。1年以上金町に関わり続ける古参スタッフです。
前述の進学先の高校で学年5位を保っている子どもを教えていた教師でもあります。
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秋季の目標として、「金町に関わる全ての人の笑顔と結果を達成する」を掲げています。
子どもたちには、寺子屋という安心の場で学力向上という結果を残したいと考えています。一人一人が自分の意思で進路を選べるよう、この秋で確かな結果を出すことが第一の目標です。また、教師とスタッフは、その目標達成を目指し、一丸となって進んでいきます。自分ではない誰かのために、仲間と切磋琢磨する3か月を通して、全員が一生モノの経験を得られればと願っています。
私個人としてはLFAの金町拠点について、葛飾区の教育・福祉の面から捉えられるようになることが目標です。今拠点にいる子どもたちを含め、これからくるであろう子どもたちが、区のレベルでどう扱われていくのかを考えることで、葛飾の教育格差について根本から理解を深めたいからです。
この3か月間、周囲の方のお力をお借りしつつ、金町に関わる全ての人の笑顔と結果の達成を目指します。
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上記をまとめるため、何名かの金町関係者に話を聞いたのですが、その中で個人的に最も印象に残ったのが以下の一言です。
「金町は受験に関わることで“教育格差”という課題により直接的に触れる拠点でもある」
これまた個人的な印象なのですが、金町の教師やスタッフって、「ガチ」な側面が強い。もちろん他の拠点の教師、スタッフも子どもの人生を変えるため、必死こいてがんばっています。それは紛れもない事実です。ですが、教師・スタッフ経験者が多いこともあって、「多くの人が目の色を変える勢いで子どもと向き合っている」というのが、金町拠点に対して抱いていた印象でした。そして、それがなぜなのか、この一言でわかったような気がします。受験を通して、「教育格差」というものを生々しいまでに直視した結果が行動に体現されている、というのがその理由なのでしょう。
今までに多くの教師・スタッフが関わり、試行錯誤を繰り返し、拠点をより良くしようともがいた成果が現在の子どもの変容です。少しずつではありますが、確実に成果は出ています。
そしてそんな多くの人の想いを受け継いだ結果が成果となって表れている拠点に、こうした形であっても関わらせてもらえることが、私はとても嬉しかったのです。
「日本に教育格差なんてあるの?」何気なく大学に通っていると、そう感じるかもしれません。しかし、紹介した金町拠点に通うような子どもは、現実にいます。しかもこれはほんの氷山の一角にすぎません。困難を抱えた子どもたちは、日本各地に存在します。
 この現状を少しでも打開するため、私たちは仲間を探しています。少しでも関心を抱いていただけたら、一度私たちとお話しませんか?説明会を都内各所で絶賛実施中です。(ご応募はこちらから)
ともに子どもに寄り添い、向き合ってくれる新たな仲間と出会えることを、スタッフ一同楽しみにしております。それでは、今回はこの辺で!

       
ちなみに他の拠点紹介はこちらへ!


(文:山崎 未来)